EarFun Free Pro 2(イヤーファンフリープロ2)はEarFun Freeにノイキャン機能のついた後継機です。Proが製品名についているものはアクティブノイズキャンセリング機能がついているもので、先日紹介したEarFun Air Pro 2もノイキャン機能付きですが、FreeとAirでは形状が異なります。またあのロゴマークで有名な国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP 2022」Bluetooth完全ワイヤレスイヤホン/ノイズキャンセリング(6.5千円以上8千円未満)を受賞しています。レビューにあたり、EarFunさんより製品の提供をいただいています。
https://sidedish.org/archives/45401
EarFun Free Pro2の特徴と購入時の検討ポイント
EarFun Free Pro 2は完全ワイヤレス、ノイキャン付きというノイズキャンセリングイヤホンでは当たり前となった仕様に加えBluetooth 5.2の低遅延、コンパクトサイズを掛け合わせたモデルだと言えます。アクティブノイズキャンセリングは最大40dbのノイズを抑え、外音取り込みモードもついていて、タッチ操作で基本動作のほか音量調節可能と機能てんこ盛り、さらにあのVGPで受賞となるとかなり期待の高いモデルと言えるでしょう。
その期待の一方、VGP2022、秋の、Bluetooth完全ワイヤレスイヤホン/ノイズキャンセリング(6.5千円以上8千円未満)で「金賞」ということでVGP自体が季節、カテゴリ、価格、金賞でも複数製品が受賞していることを考えると、少し前のVGPのイメージとは異なりからあげグランプリ、モンドセレクションのようなものなのか?と少し疑ってみたくもなるものです。この辺りをしっかりとみていきましょう。
パッケージはEarFunはみんなこんな感じで統一されていますね。飾り気はないけれど製品をしっかり紹介する必要十分な紙パッケージで製品の仕様がわかりやすいです。Bluetooth 5.2、最大40デシベルまで対応するアクティブノイズキャンセリング ANC搭載、外音取り込みモード、6mmドライバー搭載で、IPX5の防水防滴仕様です。
単独6時間再生+充電ケースは24時間(4回分の充電が可能)となるので合計30時間の使用が可能ですね。充電ケースはワイヤレス充電に対応し、実はかなり便利です。超コンパクトなのにワイヤレス充電対応というのは嬉しいですね。
このEarFun Free Pro2を開封して一番最初に思うことはかなり充電ケースが小さいことです。SONY WF-1000XM4と比較すると圧倒的に小さい手のひらに収まるサイズであることに驚くでしょう。こんなに軽くてワイヤレス充電も可能で4回も充電できるとは驚きを隠せません。
丸みを帯びたデザインは手にすっぽりと収まり、本当に軽く、これで音楽が聴けるとはというような大きさで感動すら覚える小ささです。この大きさはちょっと握ってみないとわからない感覚かもしれません。個人的にはケースがおすすめです、かなり。
EarFun Free Pro2の音質は軽快でポップ
EarFun Free Pro2の音質はどうでしょうか。独自ハイブリッド型ANC技術はQuietSmart 2.0に進化、大幅なノイズキャンセル性能向上と言いますが、どのくらい効いているか検証していきましょう。またテレビ電話会議は今や当たり前の会議の仕方になっていますが、このワイヤレスイヤホンを使った場合、どのように聞こえるのかも評価のポイントですね。
まず音質ですが、グラフェンフィルムを使用した6mmダイナミックドライバーは、軽快なサウンドを奏でてくれます。低音は豊かですが、耳障りなことはなくうまい塩梅でちょうどいいなり具合。変に強調されたドンシャリサウンドではない落ち着いた調子です。AirPods Proよりもぼくは好みだなと思いました。これは本体がコンパクトで重さも軽いことからくる装着感も相まってのことだと感じます。
とても心地よい音で軽く、耳への挿入感とフックによる固定感がちょうどよいです。イヤーピースは4サイズで箱の中に3サイズの交換用があります。イヤーフックは3つ、フックなし、フック小と大があり、フック小が最初に装着されています。ぼくは大きいサイズを共につけて試しましたが、フックは小の方でも問題なさそうでした。耳に差し込み少し耳のくぼみにフックが入るように本体を回して装着するとしっかりとホールドされます。たまに差し込んだままブラブラと本体が垂れ下がるような人を電車で見かけますが、これはしっかりとコンパクトな本体が耳のくぼみに収まる感じがとてもよいです。
大幅なノイズキャンセル性能向上は本当か?
本製品のポイントであるノイズキャンセリングについて率直な感想を一言で言うと「少しものたりない」です。これはSONY WF-1000XM4やAirPods Proと比べた場合、ノイズキャンセリング量が足りないです。-40dbのノイズキャンセリング性能は数値的にはそうなのかもしれませんが、ぼくの耳ではちょっと足りないのです。もし利用する場所が図書館や自宅などであれば低音ノイズが軽減されることで静寂を得ることができます。一方、電車などの相当騒がしい場所で利用する場合は、低音が抑制されますが低音が残ります。高音はあまり抑制されないと感じられます。なので、どこで使うかに大きく影響を受ける結果となります。
とはいえ「VGP 2022」のBluetooth完全ワイヤレスイヤホン/ノイズキャンセリング(6.5千円以上8千円未満)で「金賞」と言うことなので、この価格帯にしてすごいと言うことです。この正直レビューを書くにあたり本当に悩みました。比較対象が高級機ではなく、この価格であることを前提とした場合、VGP受賞での評価通りとなります。
繰り返しになりますが、EarFun Free Pro2の音質は軽快で非常に好みなものですが、ノイズキャンセリングのレベルは高級機よりも劣るが価格帯を考えると十分なノイズキャンセリングということです。このぼくの評価について本当に正しいのか、耳が歳をとって高音が聴こえづらくなっているから効果をわかりづらくなったのか悩みました。Amazonのレビューでもノイズキャンセリングがよいと書いてありますので、レビューしている人が何を比較基準にしているかによって評価が変わります。何かに価格に対してはいい音ですが、高級機を使ったことがある人が使った場合には評価が変わってくると思われます。
音質、装着感は同社EarFun Air Pro2より好みでしたが、静音性、ノイズキャンセリングで比較した場合はAir Pro 2の方が優っているように感じます。同製品のレビューもしていますので大いに悩ましいポイントです。

ノイズキャンセリング切り替えは、ノイズキャンセリング、アンビエントサウンド(外音取り込み)、ノーマル(ただイヤホンをつけたときと同じ)の3種類の切り替えです。アンビエントサインドはマイクから音声を拾いきれいにその音を再生します。この取り込み音声は非常にクリアで何もつけていない時のような音が再現されます。すこし高音域の強調があるようなので、ナイロン系の衣類を着ていると擦れる音が気になりますが、非常にクリアに聞こえますのでポイント高いです。
いずれにしてもVGP 2022でBluetooth完全ワイヤレスイヤホン/ノイズキャンセリング(6.5千円以上8千円未満)の中で「金賞」受賞する実力があると言うことです。この1,500円という価格レンジについては、VGPの方のせいだと言えるでしょう。グッドデザイン賞やモンドセレクション、はては唐揚げグランプリに至るまで、一般消費者には宣伝要素はいらないわけです。本当に満足のいくものを使いたいそれだけです。
この製品はこの価格帯において音質、ノイキャン、パッケージングと最高のコスパと評価しますが、いささか受賞範囲が狭いことがかえってこの製品を苦しめる結果となっています。メーカーにも賞へのエントリーに葛藤があるように思います。
EarFun Free Pro2の操作ボタンは音量操作も可能
耳元で音量操作もできるので、ポケットやバッグからデバイスを取り出す必要はありません。誤操作の少ない物理ボタンを採用ということですが、見た目はタッチ操作のように見えますが、そうではないのはなんとも不思議です。操作性に違いは出ませんが、誤操作が少なくなるのはいいことです。

音量操作がワンタップ、右が音量アップで左が音量ダウンです。右がアップなのは直感的でわかりやすくワンタップなので、操作しやすいです。再生開始、停止が右を2タップとしたのは工夫のあらわれですが、覚える必要があります。曲戻しはなく、曲送りが右を3タップですね。曲は戻せませんので一応書いておきます。
左長押しでノイキャン切り替え操作、右長押しが音声アシスタント呼び出しです。曲戻しはないけれど、音量操作ができる工夫がいいですね。
ちなみに3タップでBluetooth5.2の低遅延を活用したゲーミングモードがありますので、音ゲーなどをされる方はぜひお試しください。ぼくにはどちらでもあまり問題なかったのですが、タイミングに厳しい方はこういう機能が必要かもしれません。
EarFun Free Pro 2 | EarFun Free Pro | EarFun Free 2 | EarFun Air Pro 2 | |
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VGP | VGP 2022 金賞 | VGP 2021 SUMMER受賞 | VGP 2021 SUMMER受賞 | VGP 2022 受賞 |
クティブノイズキャンセリング(ANC) | ✓ | ✓ | – | ✓ |
Bluetooth SoC | Airoha AB1562A | Airoha AB1562 | Qualcomm QCC3040 | Airoha AB1562A |
再生時間 | 30時間再生 | 30時間再生 | 32時間再生 | 32時間再生 |
対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC | SBC / AAC / aptX | SBC / AAC |
マイク性能 | 6-マイクテクノロジー | 4-マイクテクノロジー | 2-マイクテクノロジー | 6-マイクテクノロジー |
ドライバー | 6mm 複合振動板 | 6.1mm 複合振動板 | 6mm 複合振動板 | 10mm 複合振動板 |
防水規格 | IPX5 | IPX5 | IPX7 | IPX7 |
低遅延モード | 80ms | 100ms | 60ms | – |
Bluetooth規格 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
非常に好感触な製品で満足のいく仕上がりです。本体も軽く軽快なサウンド、ポケットに入れて持ち歩くのが苦にならないコンパクトな充電ケース、この価格帯にして最高のノイキャンワイヤレスだと思います。
お得にいい音、ノイズキャンセリングを手に入れたい人に向いている製品です。

