EarFun Air Pro 2は以前紹介しているEarFun Air Pro(イヤーファンエアープロ)の後継機です。Proが製品名についているものはアクティブノイズキャンセリング機能がついているもので、このモデルはEarFun Air Proの強化版と言っていいものでしょう。7,000円程度で購入できるこのモデルの強みは、なんと言っても強力なアクティブノイズキャンセリングをこの低価格で実現しているところです。音質も含めレビューしていきたいと思います。なおレビューにあたり、EarFunさんより製品の提供をいただいています。

圧倒的低価格の ノイキャン強化のEarFun Air Pro 2 さらに多機能を実現
このイヤホンは、送料込みで7,000円台というとんでもない低価格であることをまず認識したほうがいいでしょう。EarFun独自のQuietSmart2.0を備えノイキャン機能がさらに強力され、外音取り込み機能も搭載、大口径10mmチタンコーティングのドライバーを搭載、Bluetooth 5.2対応と接続安定性が大幅向上と、ハイエンド機にある3Dオーディオなどには対応していませんが、基本機能としては現在考えられる機能をてんこ盛りに搭載しています。
それでは開封していきましょう。箱は標準的で必要十分でしょう。きれいにまとまっています。イヤホン本体にワイヤレス充電機能付き充電ケース、イヤーピースは幅が広いタイプ、奥行きが深いタイプの2種類があり、それぞれSMLと6パターンの形状から選べます。その他、充電ケーブルはUSB-C、説明書が付属します。
充電ケースサイズは標準的です。USB-Cに対応しMicroUSBがそろそろ死滅しそうな時代にあってきていますね。ワイヤレス充電に対応したことはおまけ的機能ですが、7,000円台でこれもついているという、さらなるてんこ盛り感があります。安すぎるのではないかという機能の詰め込み具合です。
EarFun Air Pro 2は前回とは異なりオードドックスなイヤホン形状に変更されました。Bluetoothペアリングはケース中央のボタンの長押しでペアリングモードになります。ピアノブラック的な艶のあるイヤホン本体は若干指紋が付きやすそうですが仕上げはきれいです。
EarFun Air Pro 2の音質と使用感 Apple AirPods Proと競合に
特徴的な機能、使用感を見ていきましょう。ノイズキャンセリング、外音取り込み、音質などがポイントになります。
ノイズキャンセリング機能
最大40dbまでのノイズ低減効果があるというノイズキャンセリング性能は、40dbがどんなレベルなのかをまずは知っておく必要があります。80デシベルが電車の走行中の騒音、人のかなり大きい声です。60デシベルが通常の人の声であり、40デシベルは閑静な住宅街や図書館館内にあたります。これを打ち消すので、たとえば電車の車内アナウンスなどが消えるようなものではないことを前提に話します。これはApple AirPods Proでも消えないわけで、これらがまったく消えてしまう性能を40デシベルで想像すると間違えます。
ただ、この40デシベルは結構いい線をいっていて、家庭やオフィスでの仕様を考えると適度なレベルと言えます。非常に静かに過ごすことができるわけです。これは静寂を手にいれることができると紹介した記事のSONYのWH-1000Xシリーズ、WF-1000Xシリーズレベルとは言いませんが、実用上の威力は価格とのバランスを見るとかなりコストパフォーマンスが高いと言えます。
機能としてはイヤホン外側のフィードフォワードマイクとイヤホン内側のフィードバックマイクの2つの集音マイクによるハイブリッドアクティブノイズキャンセリング機能ということで、しっかりと作ってあります。乗りものや空調などの低周波数帯の騒⾳に対して威力があることがわかりました。前作は低周波は良かったのですが、中音域のノイズキャンセリング性能がまだまだだったので、これでいったんの完成となったと思います。EarFun Air Pro 2はおすすめできます。この価格帯だとAirPods Pro、WH-1000XM4の6割程度かなみたいなものがあるのですが、EarFun Air Pro2はしっかりしています。
電車では低周波の騒音が多く入ってきますがそれらがカットされることがわかりました。航空機でも同様の効果があると思われます。ただし先に書いているように人の声が完全に消えるというものではありません。40デシベル消音ですので、社内のアナウンスは少し遠くから聞こえてくる感じです。このノイズキャンセリングは、Apple AirPods Pro並の効果があると感じます。後発製品ですので、AirPods Proなみというのはすごいにはすごいのですが発売後2年経った製品に対してとはいえ、同様なレベルを7,000円台で実現してしまった点はとても評価が高いです。もっと売れていいと思いますが、EarFunというブランドの認知度の問題かもしれません。Anker SoundcoreやSoundpeatsなど他にも低価格イヤホンメーカーがアマゾンにはひしめいています。
外音取り込み機能は、SONYなどと同じようにアンビエントサウンド(外音取り込みモード)、ノーマル(なにも機能していないモード、ただ耳に差し込んだだけ)、ノイズキャンセリング(ノイズキャンセリングが効いたモード)の3つがあり、アンビエントサウンドでマイクを通して集音された外部の音が聞こえてきます。少し電子的な感じもありますが、音量も強調されることなく、自然な雰囲気で聞こえてくるのでそれほどの違和感はありません。
EarFun Air Pro 2の音質はどうか
気になる音質ですが、バランスがよく心地よいです。本製品の特徴はたったの7,000円で送料込みという条件でしっかりとしたノイズキャンセリングと外音取り込み機能を提供した上で、音もよいということなので3万円する機種と比べるのはやはり無理があるということです。音の厚み、密度感を感じるにはやはり高級機を選ぶことになりますが、EarFun Air Pro 2はそれでもこのコストパフォーマンスには特筆すべき点がある、もはや脱帽レベルでしょう。
音質はバランスよく不満がないレベルに仕上がっており、ノイズキャンセリングと相まって満足感が高いです。ドンシャリでもなく、自然でフラットと言えます。10mmチタンコーティングドライバーなどドライバー径も大きく十分な音質となっています。人間工学に基づいたデザインの丸みを帯びた形状は耳に入りやすいですが、ぼくの場合はMサイズのイヤピースでボディ自体がつるつるして引っかかりが少なくはずれやすい印象を受けましたが、Lサイズに変更した場合はイヤピースのフィット感とあわせてかなり快適なつけ心地にかわりました。長時間の利用にも問題ない安心のつけ心地でしょう。
タッチセンサーはドライバー本体側面です。音量操作が可能で1タップで可能です。再生開始、一時停止が2タップなため、まちがえてぶつかった場合も音量が変わるだけですので安心です。スマホ側の操作と合わせて使いたい機能です。音量アップが使えないAirPods Proなどよりもすぐれていると思います。あちらはかちっとクリック感があるのであれはあれでいいですが。
ちなみにテレワークでのオンライン会議もまったく問題ありません。声が良くなったという感想はありませんでしたが、まったく問題なく利用できます。
EarFun Air Pro 2のBluetooth5.2について考える
Bluetooth 5.2チップ採用については、バージョンが上がるにつれさまざまな機能がついてきますが、低消費電力でイヤホン自体の再生時間が長くなることや、接続安定性の面でワイヤレスイヤホンには効果があると思われます。もはやBluetooth4以降は接続安定性面で問題になることはないと思いますが、EarFun Air Pro2はBluetooth5.2搭載となっています。接続安定性のテストは距離を離したり壁を挟んだりしてテストしました。オフィスで見通しで15mほど離れましたが、着れることもなく安定して接続できることを確認しました。オフィスでもテストしていて、天井まである金属パーティション壁をはさみ20mほど離れたところで接続が途切れそうな感じになりましたので、通常使用においては問題ないでしょう。駅ホームで混雑して人がたくさんいると接続が安定しないという、よくわからないBluetoothあるある現象ですがこれも起こりませんでした。接続性はばっちりでしょう。
Bluetoothも関連するであろう連続再生時間は、最大34時間再生可能となっており、これは単体で最大7時間、充電ケースも使って34時間なので、充電ケースの充電可能回数は4回程度できるということになります。
ノーマルモード:最大7時間、充電ケースを使用すれば最大34時間
ANCモード:最大6時間、充電ケースを使用すれば最大30時間
基本的にはANCは通常オンにして利用すると思われますので、6時間単体で利用できると考えておけばいいですね。6時間連続装用する人はいないと思いますので十分ですね。
イヤホンの充電は急速充電対応というのも見逃せません。イヤホンを10分間だけ充電すれば最大120分間再生可能ということで、ちょっとだけ充電することで急な利用にも対応が可能ってのもポイントが高いです。これはSONYなんかが対応している機能です。それで先ほど取り上げたように充電ケースもワイヤレス充電となんでもはいってます。
充電ケースは少しスレに弱いように思いました。無造作にバッグの中に入れて他のものとこすれると外面に傷が付きやすいように感じました。
装着検出機能による自動一時停止
イヤホンは片方でもを耳からはずすと再生が自動的に一時停止されます。このあたりは最近のワイヤレスイヤホンでは標準的な機能ですね。なかったら不便なのであって当然と今は考えたいと思います。この機能はハードウェア的にそうなっているので、アプリ対応がないこの機種では変更はできません。片耳はずす際には再生が止まるので片耳だけ使う際には再生ボタンを再度押してください。イヤホンを再度つければ、自動的に再生が再開されます。
IPX5防水もついています
水や汗からイヤホン本体をまもります。ランニングなどに利用する方には当然の機能というか、いま防水性能がないワイヤレスイヤホンを見つけるほうが大変ですね。これはもはや標準装備と言えます。
というわけで、EarFun Air Pro2はおすすめできます。圧倒的なコストパフォーマンスで、現在必要と思われる機能がてんこ盛り。3Dオーディオなどはないですが、音楽を普通に通勤通学で聞く、テレカンするなど通常利用の範囲で圧倒的な低価格で大きな満足を得られる機種となっています。もし興味があれば、ぜひ!

ちなみに、形状の違うEarFun Free Pro 2も発売になっています。こちらは耳にジャストフィットのノイズキャンセリングですが、ぼくの耳ではノイズキャンセリング性能はEarFun Air Pro 2の方が上だと感じます。