もう何年前からあるだろうか。MEAL MUJIがあったり住宅事業開始時には「窓の家」が店内に建てられたりと通常店舗と違った展開をしていたが、郊外型のバカでかい無印良品の店舗との違いが薄れていた店舗だった。そんな中、ついに有楽町店が2015年9月4日(木)にリニューアルオープン!3階までの全フロアを改装し、新サービス、新製品を投入して帰ってきた延床1,000坪弱の無印良品最大の旗艦店である。
テレビ東京WBS(2016.2.29放映)によればこのリニューアルにより売上は15%アップ、本を購入した客は購入頻度1.6倍にもなったという。本のセレクトは編集工学研究所(松岡正剛所長)となっている。
無印良品の蔦屋家電的な位置づけか
お店の外観はいつも通り。この場所でこんな低層の建物でいいのかと心配になる。最初はプレハブっぽいからすぐになくなるのかと思っていたけれど、隣にビックカメラが入ったり、LOFTが入ったりでずーっとある建物。リニューアル後のエントランスはゴタゴタ感がなくなり広々した空間に。
1階は、最近シリーズがはじまった旅行用品を集めるMUJI to GO。旅・移動に役立つアイテムをぎゅっと凝縮したセレクト。無印良品的な素材感が伝わって来る。良くも悪くも無印良品、このコーナーは旅行に関する本とセットでディスプレイされている。蔦屋電気(以前の記事へ)・書店と同じ匂いを感じる。本とセットなのはいいけれど、特に何かを提案してくれるわけではなさそうだ。自転車コーナーも一階にあり、壁に縦に貼り付けられた自転車が印象的なディスプレイになっていた。
MUJI BOOKSが拡大、売り場が本とセットに
2階に上がると視界に入ってくるのは「シェルフの家」。ユニットシェルフをつないだ透けた壁のようになったディスプレイ。特に商品がどう、というわけではないけれどインパクトがある。この奥にはMEAL MUJIあらため、Cafe & Meal MUJIがある。時代に合わせてエスプレッソマシーンが導入され、やっと青山のMUJI CAFE同様レベルになったのかな。デリが選べるランチ、ディナーは健在。外観的変化は特にない。
シェルフに気を取られていると見落とすのが「ReMUJI」。無印良品のリサイクル、リユースの取り組み。布を染める藍、黒、紫に染められたやさしい手触りの衣料が見るた限りでは2,900円均一で販売されている。旗艦店ならではの商品。当面、生産数や需要の関係で全国展開は難しそうなのでここだけしか買えなさそう。
「シェルフの家」から正面へ向くと「MUJI BOOKS」の入口が見えてくる。入口のアーチに圧倒される(本、落ちてこないのかな)。書籍は選りすぐりの2万冊。雑誌からハードカバーまでセンスの「よさそうな」本がセレクトされていて、売り場が全面的に本棚と無印良品の商品と組み合わせておいてある。関連性はなんとなくあるようになっていて、ゆるいつながりが商品と本の間にある。ちょっとした読書スペースは椅子とテーブルがあり、100円でコーヒーが買えるコーヒーマシーンが1台置いてあった。コーヒーを飲んでいる人はあまりいない印象だった。これは失敗なのかな。
全体にMUJI BOOKSの存在感が強い。本と無印良品の関係性がなんなのかが、よくわからないのは私だけだろうか。各コーナーに関連した本、その使い方や、さらなる知識欲みたいな流れなのかな。本と商品のディスプレイはおしゃれな一方で、無印良品の方向性をあまり感じられないのは残念ではある。蔦屋家電があるなか、無印良品はどこを目指すのか。
アイテムの陳列はきれいで息を飲む。整理が行き届き、洗練された感じがお店全体に伝わる。コミュニケーションスペースとなる「Open MUJI Tokyo」。各界で活躍する建築家、クリエイターのイベントやワークショップを顧客参加型のイベントが毎週土日に行われ、旗艦店ならではの情報発信機能を備える。
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住空間エリアが大幅にグレードアップ
3階は家具、寝具、ファブリックを中心としたの住空間ゾーンになっている。エスカレーターを上ると本のアーチが出迎え2階とのつながりを感じる。観葉植物コーナーを抜け右側に進むと、MUJI INFILL +(ムジ インフィルプラス)から、MUJI INFILL 0(ムジ インフィルゼロ)とつながっていく。
インフィルとは、住宅の基本構造(スケルトン)以外の内装、設備のこと。簡単に言うとこのコーナーのインフィルプラスはキッチン、トイレをどのようにしつらえるのか、ドアノブ1個へのこだわりが部屋の印象を変えるよねと言った部門。インフィルゼロは、一度暮らしをゼロにする、部屋の間仕切りなどをゼロにし再構築する、リノベーション部門のことになります。無印良品のリノベーションってどんなことをやってくれるのかなど、専門のアドバイザーが相談に乗ってくれる場所だ。
相談コーナーが店舗回遊の途中にあるため、寄ってみようかな? ってなる人もいるかもしれない。3階の半分は落ち着いた雰囲気のショールーム+コンサルティングスペースという感じでしょうか。その先へ進むと収納コーナーが現れる。
壁一面の展示はUNIQLOの展示にかなり似た印象を受ける。本棚、棚、収納箱が勢ぞろい。MUJI meets IDÉEのコーナーは拡充された。少し前からやっている取り組みで、イデーの生活とモノづくりへのこだわりに無印良品が共感しコラボしているコーナーです。
IKEAに対抗できるか
インフィルとしてキッチンなどの提案も行うようになりました。キッチン価格は25万円程度からで色々なパーツを選んで構成していく方式です。木材のものとステンレスのものがあります。ブラウンのウッドブラインドで仕切られた空間が落ち着いた雰囲気で、こんなキッチンを作ってみたいと思う方も多そうです。ベッドルームやカーテン系の展示もあり、ワクワクする空間ですね。
Found MUJIも充実
2003年からはじまっている「Found MUJI (見出されたMUJI)」は、世界中からよいものを探してきて、無印が生活の品質基準に合わせ作者と対話、改良し、無印良品のものとして商品化する取り組みです。世界の良品が集まり、新しい発見があるので結構好みなプロジェクトなのです。
新しくなった無印良品 有楽町。新たな取り組みが感じられる店舗です。蔦屋家電の方向性の進化とも思えましたが、住環境系への特化がこの店舗の強みなのでしょうか。無印流リノベーション、コンサル機能が強化されていてその手の要望ならここしかありませんし、あの本棚をくぐってみたい場合にはぜひ訪れてみてください!
無印良品 有楽町 / MUJI Yurakucho
Café&Meal MUJI 有楽町
東京都千代田区丸の内3-8-3インフォス有楽町
10:00〜21:00
駐車場
この建物にはありませんから、付近の施設を使うことになります。東京国際フォーラム200円/30分、東京交通会館パーキング300円/30分(店舗の正面です)、イトシア400円/30分くらいの価格目安になります。