複数メディアで報じられてきたApple iPhoneの速度低下問題ですが、ついに決着、沈静化するでしょうか。Appleはバッテリー劣化が原因で不用意に起きるOSの再起動を抑えるために、意図的に動作速度を低下させていました。この問題Appleの謝罪対応により解決するのでしょうか。
iPhone動作速度 減速問題発生の経緯
ことの発端はReditに投稿された「iPhone slow? Try replacing your battery!」です。2017年12月10日頃投稿
で、これに対し、PRIMATE LAB(Geekbench)が自社のベンチマークソフトGeekbenchの統計データを示し、OSがアップデートされると統計的に遅い機種が増えている状況をグラフとして可視化しています。2017年12月18日に投稿
この意図的にバッテリーが劣化すると性能を落としていたというAppleの対応に対し、集団訴訟を起こされ100兆円の損害賠償を求められています。2017年12月26日

問題は、なにも告知もなく勝手にそのような対応を行っていたことでしょう。そもそもバッテリーが劣化すると、不意なシャットダウンが起こりやすいってのが問題ですよね。
Apple側の対応 バッテリー交換費を値下げ
原文はこちら 2017年12月28日Appleリリース
iPhoneバッテリー交換費の値下げ
バッテリー交換費を79ドルから29ドルに50ドル値下げするということです。日本での対応は近日発表になると思いますが、税別8,800円が、3,300円くらいになるのかと想像しています。とはいえ、このバッテリー交換、Apple Storeの実店舗が近くにあればいいですが、そうではない場所の方々の送料などはどちら負担になるのでしょうか。
日本でも対応が発表されました
追記 2017/12/31
3,200円にて2018年12月まで全世界で実施

2018年早期のアップデートでバッテリー状況を把握可能に
2018年のiOSアップデートでバッテリーの健康状態をセルフチェックできる機能が追加され、パフォーマンスに与える影響が可視化されるもよう。
ユーザーが求めているのはバッテリー交換じゃない
バッテリー交換や、バッテリー状況を把握できることが問題の解決になるのかとぼくは思うんですよね。
バッテリー交換費を安くするから性能が悪くなったら交換してね。そして、そのバッテリーの状況や交換する目安は見えるようにしてあげるよ。ってサービスをはじめてもらえるのですが、ぼくらが望んでいるのはこれじゃないでしょう。
これだと意図的に過去のモデル(iPhone7までそうなっているなんてやばすぎでしょう)の性能を下げて、買い替えを促進しているというふうに思われても仕方ないです。
バッテリーが劣化すると、勝手にAppleが性能を下げているのには変わりがないわけで、ユーザーが求めているのは、バッテリーの性能が下がっても、予期せずシャットダウンするiOSの仕様(バグ)を治すことであって、バッテリーが安く交換できることではありません。
今回は意図的に落としているという話なので、そんなの望んでない、そんな製品自体がおかしいというふうに思う方もいると容易に想像がつきます。送付から返送交換にかかる時間の間、電話はどうするのかなど考えると、結構根の深い問題です。小手先の対応ではなく、根本的な問題について早期に解決すべきでしょう。